[00:00.000] 作词 : 北村桃児 [00:00.516] 作曲 : 春川一夫 [00:01.32]元禄花の兄弟 赤垣源蔵(昭和42年、1967年) [00:04.09]オリジナル歌手: 三波春夫 唄: 島津亜矢 [00:05.53]編集:吹雪 [00:35.49]酒は呑んでも 呑まれちゃならぬ [00:47.88]武士の心を 忘れるな [00:56.92]体こわすな源蔵よ [01:02.82]親の無い身にしみじみと [01:10.13]叱る兄者が懐かしい [01:27.42]迫る討入り この喜びを [01:39.90]せめて兄者(に よそながら [01:48.92]告げてやりたや知らせたい [01:54.74]別れ徳利を手に下げりゃ [02:02.16]今宵 名残りの雪が降る [02:18.04]兄のきものに盈々と  [02:27.07]差して呑み干す酒の味 [02:38.78]「兄上もはや今生のお別れとなりました [02:42.74]お顔見たさに来てみたが  [02:44.50]源蔵此れにてお暇仕(いとまつかまつ)りまする」 [02:55.32]兄の屋敷を立出でる [03:02.22]一足歩いて立ち止まり  [03:09.14]二足歩いて振り返り [03:14.08]此れが別れか見納めか [03:21.31]さすが気丈の赤垣も [03:26.17]少時佇む雪の中 [03:30.96]熱い涙は止めどなし [03:57.61]「かくて果てじと気を取り直し  [03:59.55]饅頭笠を傾けて [04:01.52]目指す 行手は両国か [04:11.05]山と川との合言葉 [04:13.52]同じ装束勇ましく [04:16.56]山道ダンダラ火事羽織 [04:19.30]白き木綿の袖じるし [04:24.63]横川勘平武林が大門開けば [04:29.19]赤垣は宝蔵院流九尺の手槍 [04:34.35]りゅう!としごいてまっさきに吉良の屋敷に踏込んだり [04:42.05]されど東が開け初めても未だに解らぬ吉良殿在処 [04:49.34]さすがの大石内蔵之助 [04:52.04]天を仰いで嘆く時 [04:54.70]誰が吹くやら呼子の笛 [04:59.45]吉良の手を取り引い出し吹くは  [05:04.83]赤垣源蔵なり」 [05:20.46]一夜開くれば十五日 [05:31.81]赤穂浪士が 引揚げと [05:35.83]聞くより兄の塩山は  [05:39.91]もしや源蔵がその中に [05:44.14]居りはせぬかと立上がり [05:47.69]「市助!市助はおらぬか!」 [05:50.82]「市助赤穂浪士が今引揚げの最中 [05:53.66]たしか弟が その中に居るはずじゃ [05:56.19]そなた早よう行って 見届けきて呉れ! [05:58.61]もしも源蔵が居たならば  [06:01.05]隣近所にも聞こえる様に [06:03.36]大きな声で叫んでくれ よいか!」 [06:07.97]もしも居らないその時は  [06:12.07]小さな声で儂にだけ [06:15.89]知らせてくれよ頼んだぞ  [06:21.59]祈る心で待つ裡に [06:26.29]転がる様に戻り来て [06:30.04]「ヤァー源蔵さまが居りましたワイ」 [06:39.56]嬉し泪の塩山は  [06:44.59]雪を蹴立てて真っしぐら  [06:47.52]仙台候の御門前 [06:51.54]群がる人をかき分け かき分け  [06:56.21]前に進めば [06:58.69]源蔵も兄は来ぬかと背延びして  [07:03.00]探し求めている様子 [07:07.63]「源蔵!」 [07:09.39]「兄上か!」 [07:12.24]ひしと見交わす顔と顔  [07:22.97]固く握った手の中に  [07:26.29]通う血汐の暖かさ  [07:29.48]同じ血じゃもの肉じゃもの [08:01.23]夢を果した男の顔に [08:13.70]昇る旭が美しや [08:22.58]笑顔 交して別れゆく [08:28.42]花の元禄兄弟 [08:35.88]今朝のお江戸は日本晴れ [09:01.30]終わり