幻想神话 天地に照り往く蓬莱の曙 朝を願う罪が【凍てた言の刃】 此の身を包む【其の身を切り裂く】 我 今も 尚【産土に還れず】 踠き 火の粉を撒いて【死の夢を抱いて】 猩紅に玉る體に 蘇芳の灰を塗り 火を点し 燃え盛る闇の中 唯 貴女の夢を見るならば 然様ならも何もかも捨てて 朽ち往く私 梧桐 此の身を委ねた宿木 嗚呼 愛し人 呼び声は嗄れて 柘榴の瞳は 生命 今も其の洞に宿して 嗚呼 醴泉は森羅に満ち澤めく 甘露に惹かれただよう羽虫 足許 揺らぐ【凍てた水緑】 落ちる 飛沫を上げて【呼び声を上げて】 暴け狂えど【涙は澪引き】 湖は清かに包む【此の身を流れる】 唯 独り橋を戻る 其の背を見送れば 涙落つ 淵源を求め 幾度 唯 枯れた道 辿った 其れは 然様ならをよみもどす為に 月の下 飛ぶ 貴女を捜して彷徨う 嗚呼 愛し子を呼び孵すように 翡翠の瞳は 泉 灼けた鉄を 沈めて 嗚呼 然様ならも何もかも捨てて 然様ならも何もかも総て 創から無かった事に 出逢いだけを 唯 残して 嗚呼