[00:00.000] 作词 : ふる [00:01.000] 作曲 : ふる [00:26.79]その眼が見据える晩年 [00:28.90]こまっしゃくれた鳴き声など [00:29.73]とうの昔に聴き飽きた [00:32.38]ずるずる四の足音 [00:33.67]歩む方向すら知らぬままに [00:35.20]ふらふら千鳥足 小瑠璃が笑う [00:37.93]道はか細い平均台 [00:39.22]右も左も宵の光 [00:40.64]どちらに落ちても奈落行き [00:43.44]辿り着いた濁世で [00:44.73]手招きをする曖昧宿 [00:46.22]あんよが上手は床上手 [00:51.00]虚構の嵩 百貫の屑 [00:55.11]「また始まったよ」 [00:56.98]繰り返す東雲の空 そこかしこから雛型の産声 [01:05.48]荒れ果てた轍を通るとも知らずに [01:09.25]収まりつかぬ不相応の翼 [01:12.11]くちばしから垂れる墨汁は 降り出す雨に滲み広がる [01:16.81]俄作りの鳥小屋じゃ雨宿りもできやしない [01:19.97]泥水すすり いざ [01:22.91]一匁の分銅に脅かされ 命の時間が迫る [01:28.23]急げ渡れ 遠浅の海 遠雷響く彼方まで [01:31.11]墨で塗り潰したその道に [01:33.79]差し込むは藍白の亀裂 [01:36.68]拍手に飽きもせずに群れを成すは池の鯉 [01:39.30]「見ちゃいけない!」 [01:40.00]無い親指隠して通夜を飛び越えろ [01:55.96]障子破りお迎え [01:57.22]錆びた掛け金 夢の跡 [01:58.87]早うこっちにいらっしゃいな [02:01.57]四畳半の鳥かご [02:02.79]謳うは有象無象の糞 [02:04.28]値札も反古して香具師は薄笑い [02:07.40]底打ちの誉れを [02:08.25]羽繕いしながら鶴首して [02:09.84]千切って毟って丸裸 [02:12.64]尼の匙を食い尽くし [02:13.87]そらあっちへこっちへ糧を探し [02:15.45]見上げりゃ屠殺場 後の祭り [02:20.60]眩い暈 水仙の園 [02:23.89]「おやどこへ行くの?」 [02:26.37]朝露に濡れる山苔に足を滑らせ見失う陽の向き [02:34.25]不遜の羽ばたきはいつかの落日 [02:38.62]もろい橋に楔は打たれ 元より無い退路は断たれた [02:43.75]硝子を噛み砕き 小石を飲み込み [02:46.48]報われぬ天秤に飛び乗っては弾かれる [02:49.17]さえずる事も無く [02:51.85]一匁の御神を崇め続け 祈りの時間を憂う [02:57.15]急げ集え 八百長の舞台 鐘よ響け [02:59.40]有明の空は蜃気楼の楽園 [03:02.93]救いの器で水浴び [03:05.69]墓守は公平な不公平に辟易 [03:09.50]赦しを乞う御明かし消えた [03:43.10]成れぬ 弧を描く燕に [03:45.73]成れぬ けたたましい烏に [03:48.48]成れぬ 愛歌う雲雀に [03:51.27]成れぬ 雛鳥にさえも [03:53.90]一匁の分銅に押し潰され 命の時間を看取る [03:59.55]嬲り殺す 鳥目の世界 足掻き叫べど [04:01.69]菊頂の羽根を揺らす事も出来ず [04:05.57]雀の涙の傾きを吹聴してはまた灰を散らして [04:10.55]押し寄せる鶸色の漣さざなに文句も言えずに [04:16.15]止まぬ猟銃 白黒つけろ 腐る果実齧り付き [04:19.16]忌々しい屑鳥を撃て [04:21.80]命の通わぬ窓に群れ [04:24.67]振り払った蚕がまた呻きをあげる前に [04:27.49]掌で蠢くその卵と共に死に晒せ